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☆高卒採用強化セミナー☆~高卒採用のルール・現場を知り、高校生・先生に選ばれる採用活動へ~

 大学の新卒採用が年々厳しくなる一方で、それ以上に採用が難しくなっているのが高校新卒の採用だ。高校生の採用には「一人一社制」「学校斡旋」など独自のルール、文化があり、企業の採用担当者にとってはそれらをまず理解することが欠かせない。高校で高校生の進路指導に携わる株式会社アッテミー、代表取締役の吉田優子氏が、高校現場での就職活動の現状や、高校生・先生に選ばれる企業の採用活動方法などを伝える一方、差別化を図るための高校生インターンシップの必要性を説いた。

大企業も高卒採用を積極化

 高校の卒業生は毎年約100万人ほどいるが、そのうち就職する生徒の比率は18%だ。この比率は長年変わっていない。大卒の求人倍率は1.88倍であるのに対し、高校は2.74倍にもなる。求人企業を産業別に見ると製造業が最も多く、建設、卸売・小売が続く。近年は運輸業が伸びている。規模別でみると従業員数99人以下で全体の61.5%を占め。299人以下にまで広げると81.1%になる。一方で1000人を超える企業規模の求人がこの5年で6割ほど増えている。大卒採用のみ行っていた大企業が高卒採用にも力を入れ始めており、その傾向はますます強まりそうで、中小企業にしわ寄せが来る。

「学校あっせん」で就職先が決まる

 高校生の就職活動の方法としては「縁故採用」、自力で就職先を探す「自己開拓」もあるが、95%は「学校斡旋」で決まる。「学校あっせん」は、まず企業がハローワークに求人票を提出して、それをもとに先生が生徒に企業を紹介し、紹介を受けた生徒は先生の調査書、推薦薦を持って企業の採用試験を受けに行くという流れで行われる。スケジュールは厳格に決まっている。企業の求人情報の解禁日は7月1日で、生徒の応募書類の発送日は9月5日で、採用試験は9月16日から解禁になる。
 「学校斡旋」には独特のルールや文化がある。その一つが1人1社制だ。生徒は同時期に1社しか応募書類を送れないというルールで、希望した会社が不採用となって初めて次の1社に応募できる。採否結果の判明が遅いと、次の動きが遅れてしまう弊害がある。国の規制改革推進会議で現行の見直しを検討している。また、求人票には、採用対象の高校にだけ送る「指定校求人」とすべての高校を採用対象とする「公開求人」がある。
 ある高校に企業から1名の指定校求人があって、3人の生徒から希望があったとすると学校側で3年間の成績、欠席日数などをもとに推薦順位を決める「校内選考」がある。ただ、順位の高い生徒がその企業の適性に合致するとは限らない。

求人票は小学校5・6年生でもわかる書き方で

株式会社アッテミー代表取締役 吉田優子(よしだ・ゆうこ)氏  

 求人票が解禁される7月1日には、高校を直接訪ねて求人票を届けようとする企業も多く、当日は高校に列をなすほどだ。求人票を受け取った先生は、それをファイリングして生徒が閲覧できるようにし、生徒はそれを見て希望の就職先を見つける。
 高校生にアンケ―トをとったところ、仕事選びの基準の1位は「やりたい仕事」、2位は「職場の雰囲気」、3位が「自宅からの距離」、4位以下に給与や福利厚生などが続く。では、生徒は求人票のどこを見ているか。まず社名を知っているかどうか。次に営業、事務などの職種、そのあとに仕事内容を見て、それらがしっくり来れば勤務時間、勤務地、手取給与などを見る。
 とくに職種、仕事内容については高校生がわかる内容で書かれているかどうかが大事だ。
理解できないとそれだけで希望先から外れてしまう。例えば職種名で「技能職」「製造職」と書いてもわからない。「新幹線のブレーキに使われるバネを作る製造職」とするとわかる。
 企業にとっては先生と信頼関係を構築することが大事だ。そのためには直接訪問して話をしてほしい。その時に何の戦略もなしに訪ねるのはよくない。だれが訪ねるかで言えば、高卒で就職した若い社員が出向くのが一番だ。こんなに育てる力があるんだなと先生の好感度高まる。先生が知りたい情報の一つは。入社して任せてもらえる仕事の内容と職場環境、そして求める人物像だ。先生はそれを聞きながら具体的な生徒の顔を思い浮かべて、生徒にできるかを判断している。

長期的視野で高校生インターンシップを

 ただ、大企業が高卒採用を増やす中で、紙の求人票だけでは選んでもらいにくい時代になった。高校1、2年生のうちからジョブツアー(インターンシップ、職場体験、職場見学など)を受けいれることが採用の差別化の一つになる。
 兵庫県では高卒就職時に1371人が県外に流出している。逆に県外から兵庫県に流入してくるのは998人で流出超だ。若者を県内にとどめるには、地元の高校生に早くから地元の企業の魅力を伝えておく必要がある。当社では、神戸市内の高校2年生を対象に市内の企業へのジョブツアーを企画している。4校から実際にやってみたいという話しをいただいており、ツアー先の企業を2月上旬まで募集しているところだ。高校は高卒就職率の高い先もあれば、大学進学率が高いところもある。ツアー先の企業にとっては、高卒新卒だけでなく、大卒新卒時、あるいはUターンの時に就職・転職先の選択肢に加えてもらえる可能性が大いにある。ジョブツアーを通し高校生から求人エントリーができるサービス「ATTEME」内に自社の紹介ページを作り、高校生に申し込んでもらい、春休みにジョブツアーを体験してもらう予定だ。

【プロフィール】
吉田優子(よしだ・ゆうこ)氏
上智大学教育学科を卒業後、楽天株式会社に入社。同社を退社後、2013年から公立高校内で就職指導を行う(現在7年目)。19年株式会社アッテミーを設立。高校で得た経験をもとに高卒採用を行う企業の採用活動支援事業と行う。また、インターンシップを通し高校生から求人をリクエストできる日本初のサービス「ATTEME」を運営している。